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ビリオネアの頂上決戦:ビル・アックマンとカール・アイカーンが巻き起こしたハーバライフ騒動

SICKOMODE@バリュー投資家

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ビル・アックマンとハーバライフとの闘いの始まり

2012年、全米の栄養補助食品市場で知名度を持つハーバライフは、意外な攻撃を受けることになりました。その攻撃者は、有名なアクティビスト投資家であり、パーシング・スクエア・キャピタルの創業者でもあるビル・アックマンでした。アックマンはハーバライフを「いびつなピラミッドスキーム(連鎖販売取引)」と非難し、10億ドル以上のショートポジションを持って、その株価がゼロに落ちることを熱望していました。彼の声明は瞬く間に金融市場に広がり、ハーバライフの株価はわずか三日間で20%もの価値を失いました。

カール・アイカーンの登場と賭けの行方

しかし、アックマンの予想とは裏腹に、別のビリオネアがハーバライフの救世主として現れました。その名はカール・アイカーン。彼はハーバライフのビジネスモデルに確固たる信念を持ち、アックマンとは正反対の立場をとりました。アイカーンは、ハーバライフの株価が上昇することを確信し、その株式の26%を購入、この行動によって、ハーバライフの株価はさらなる動きを見せることとなりました。

公然と繰り広げられた二人の舌戦

金融界でのこの対立は、2013年にさらなる盛り上がりを見せました。両者の意見の不一致は、CNBCの生放送中における舌戦として一般の前に出ることとなりました。アイカーンはアックマンを「嘘つき」と「泣き虫」と公然と非難、この一件は、二人の間の緊張を一層高め、金融業界にとっても見逃せない出来事となりました。

戦いの結末とアックマンの戦略転換

最終的にこのビリオネア同士の闘いは、2017年に決着がつきました。ハーバライフの株価はその年に51%も上昇し、ビル・アックマンは多額の損失を抱える形となりました。彼はショートポジションを清算し、代わりにプットポジションを取得するという戦略に切り替えざるを得なくなりました。しかし、その結果も思わしくなく、最終的にはパーシング・スクエアはハーバライフの全株式を手放す決断を下しました。

アイカーンの勝利とその影響

一方で、カール・アイカーンは株価の急騰により、約10億ドルもの利益を上げるという驚異的な結果を得ました。アイカーン氏が持つ確固たる信念と戦略が功を奏した形であり、この一件は彼の名声をさらに高めることとなりました。そしてこの戦いは、アイカーンの勝利という形で幕を閉じました。

投資の教訓と未来への注目点

このエピソードを通して私たちが学べることは、投資において情熱と綿密な戦略が重要であると同時に、市場の予測がいかに難しいかという点です。ビル・アックマンとカール・アイカーン、二人のビリオネアが示したこの頂上決戦は、現代の投資家が抱えるリスクとチャンスを象徴する出来事とも言えます。

一方で痛い失敗を経験したアックマン氏ですが、この敗北が次に繋がる新たな戦略や成功につながる可能性もあります。そして成功を手に入れたアイカーン氏も、これからどのような戦略を展開するのか、その動向から目が離せません。

投稿日:2024-01-27

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